有料会員限定

なぜアメリカのインフレは落ち着かないのか これからの焦点はマネーストックの水準だ

✎ 1〜 ✎ 258 ✎ 259 ✎ 260 ✎ 261
拡大
縮小
たくさんの米ドル札
(写真:dacasdo /PIXTA)

米国経済は年明け以降いくつかの先行的な指標が底を打ち、労働市場の逼迫ぶりも相まって「ノーランディング」が言われ始めている。昨年FRB(米連邦準備制度理事会)が実施した急激な利上げによって今年前半のリセッション入りが予想されていたのだが、現在では少なくとも1〜3月はプラス成長維持との予想が増えてきている。その後もマイナス成長は回避してリバウンドに向かうとの見通しが強まりつつある。

リバウンドの要因

米国以外でも、ユーロ圏は10〜12月にはすでに大幅なマイナス成長入りが予想されていたが、実績値は+0.4%とプラスになった。暖冬によるエネルギー危機回避が大きかったとはいえ、消費には想定以上の底堅さが見られる。そのほか、中国の景気指標も、PMI(購買担当者景気指数)などはすでに1月と2月で大きく反発している。世界経済は足元だけを見れば、実際にリセッション回避の流れが強まっているように思える。

次ページ今のリバウンドはあくまでも一時的
関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
日本製鉄、あえて「高炉の新設」を選択した事情
日本製鉄、あえて「高炉の新設」を選択した事情
パチンコ業界で「キャッシュレス」進まぬ複雑背景
パチンコ業界で「キャッシュレス」進まぬ複雑背景
ヤマト、EC宅配増でも連続減益の悩ましい事情
ヤマト、EC宅配増でも連続減益の悩ましい事情
半導体需給に変調の兆し、歴史的な逼迫は終焉?
半導体需給に変調の兆し、歴史的な逼迫は終焉?
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料会員登録のご案内