3月9〜10日、日本銀行・黒田東彦総裁の下での最後の金融政策決定会合では金融政策が据え置かれた。これにより、4月に就任する植田和男新総裁の下での初会合(4月27〜28日)まで1カ月以上、間が空く。また4月の会合がゴールデンウィーク直前であることを考えると、政策変更は6月半ばの次の会合になるかもしれない。
(筆者が在籍する)JPモルガンではこうした金融政策の日程に鑑み、4月と6月の会合の間に緊急会合を開き政策変更を行うのではないかとみている。いずれにしても、今後2カ月程度の間は日銀からのサプライズを警戒する必要がない。それまでは日本の金利が想定以上に上昇することもほぼないと考えられるため、貿易赤字の拡大や世界との短期金利差拡大に沿って円を売ることに安心感がある。
政策金利の最終到達点
今年1月の貿易赤字(国際収支ベース)は月次ベースで過去最大の3.2兆円となった。年間ベースで過去最大となった昨年の貿易赤字の2割にすでに達している。エネルギー価格は昨年より下落しているが、貿易収支にその効果が表れるまでにはタイムラグがある。また、ドル円相場は昨年1年間の平均水準よりすでに円安となっている。当面、貿易赤字から発生する円売り額は高水準となるだろう。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら