「卵子凍結」東京都の助成検討で整理が必要な論点 夜型勤務から「朝型勤務」への転換が求められる訳

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橋下氏:人口減を前提として……。

田村氏:もちろんだ。仮に2030年に出生率が2%になったとしても、この急激な減り方は止まらない。50年後、60年後の減り方を緩やかにしようということをいまやっている。国家としてある程度維持できる規模まで何とかして行きたいというのが、今のさまざまな対策であり、働く人たちが急激に減っていくのは間違いない。

「異次元の少子化対策」と卵子凍結

松山俊行キャスター(フジテレビ政治部長・解説委員):少子化対策が問題となる中で、東京都などは(健康な女性の)卵子凍結に助成金を出す方針を出している。

塩村文夏氏(立憲民主党参院議員):私自身も卵子凍結を選択した。39歳になってあとがない、これからも政治の世界でやっていくのであれば、やっておかなければという思いでやったが、やはり簡単にお勧めできるものではない。非常に大変だし、必ず出産に至るのかと言われれば、私はまだ至っていない。(健康な女性の卵子凍結は)否定するものではないが、本当に保険の保険だというように考えておいたほうがいいと思っている。

梅津弥英子キャスター(フジテレビアナウンサー):リスクやデメリットがあまり詳しくわからないという声も聞く。

(画像:FNNプライムオンライン)

塩村氏:必ず出産に至るものではない。卵子を凍結したあとに(時期をみて融解し)受精させて、また体の中に戻す作業がある。精神的にも体力的にもものすごい負担になる。それを理解したうえで、必ず子どもが生まれるということではないこともわかったうえでやる保険だと思う。

橋下氏:医学的なリスクを明らかにする必要はあると思うが、チャイルドペナルティーが女性にとってあまりにも厳しい状況から考えれば、産む時期を考えたい、いま働きたいという女性を支えるためにも「異次元の少子化対策」に組み入れるべきだと思う。

塩村氏:「異次元の少子化対策」に入るのはマイナスではないと思うが、それでもやはり大変だということは知っていただきたいと(卵子凍結を選択した)当事者として申し上げる。

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