日本の多くの地域で、「地方政府の領域」、すなわち都道府県や市町村の境界と「都市の領域」は一致していない。意思決定は自治体ごとに行われるが、それは複数の自治体から成る都市の発展の足かせになっているという。
──2つの領域というテーマ設定は独自のものですか。
自治体は政治的な単位で、都市は社会経済的な範囲だ。自治体の領域はそう頻繁に変わらないが、都市は年々拡大していくため領域の不一致は避けられない。同様のことは世界中で起こっている。領域同士の利害の不一致が問題を引き起こすことは実感とともに知られているだろう。しかし、日本の政治制度の下での研究はこれまで十分に行われてこなかった。
今、これに関して顕在化している問題を2つ挙げると、1つには地方政府間・政治家間の競争の激しさ、もう1つには地方政府同士の連携が必要となるような大きな意思決定の難しさがある。タイトルが示すのは、自治体という領域を超えて連携することができない、日本の民主主義の現実だ。
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