「ゲーム理論」小学生から知っておいて損はない訳 結果だけを見て非難し合う大人にならないために

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小学生 学習
社会で役立つ「学問」に小学生から触れる大切さを考えます(写真:ocsa/PIXTA)
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学校・習い事・受験勉強……子どもたちを取り巻く学びの環境には選択肢が無数にあり、多様な情報が世界中から次々と入ってくる時代、親はその中から子どもに少しでも多くの経験をさせ、視野を広げたいと考えるものでしょう。
「『ゲーム理論』小学生でもわかる学問の深い本質」(1月19日配信)に続いて、『雷神と心が読めるヘンなタネ』の著者でカリフォルニア大学バークレー校准教授の鎌田雄一郎さんと、近著に『子育ての「選択」大全』などがある教育ジャーナリストのおおたとしまささんが、ゲーム理論について語り合いました。

自分の行動・思考をふりかえる力を身につける

おおたとしまさ(以下、おおた):ゲーム理論は数式で表す、ということなのですが、算数を学んでいるような段階の子どもたちでも使って考えることができるようになると言っていいのでしょうか? 数学をまだ学んでいない小学生はゲーム理論をどう受け取るのでしょう? 

鎌田雄一郎(以下、鎌田):たしかに、数学を学んでいない状態でできることは、『雷神と心が読めるヘンなタネ』で、主人公の啓一がノートに書いているような図を書くことくらいだと思います。

『雷神と心が読めるヘンなタネ』の主人公・啓一のノート
『雷神と心が読めるヘンなタネ』の主人公・啓一のノート

もちろん、論理的思考の一種であると言えますが、ゲーム理論の特徴は、「人が複数いるときに論理的思考をどのようにするか」となるかなと思います。

おおた:なるほど。ゲーム理論のような体系化されたものが入っていると、その人の体験に依存しない、論理的思考ができるようになるのだろうと思います。

ただ、ゲーム理論を持ち出さなくても、人と人との関わりについて考えるときに論理的に推測すること自体は、当たり前のことのようにも感じます。ゲーム理論は、いわゆる論理的思考と何が違うのでしょうか?

鎌田:ゲーム理論は、人が複数人いるときの論理的思考そのものです。では、ゲーム理論という体系として学ぶ価値がどこにあるかというと、1つには「仮定のおき方と、分析の仕方の作法」ということがあると思います。ゲーム理論では、いろいろな仮定をおいて考えます。研究者がこれまで培ってきた仮定のおき方を学んでいくと、より正確な予測が立ったり、より良い選択ができるようになったりするんですね。

また、仮定をおいて分析をした結果行動して、でも違うことが起きるということもあります。そういう経験をすると、なぜそんなふうに違うことが起きたのかということを考えるようにもなると思うんです。

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