社員3分の1をリストラ「東スポ」が復活を遂げた訳 オールドメディアの果敢なる"挑戦の物語"

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東スポ
崖っぷちに立たされた「東スポ」がどのようにして復活を遂げたのか(写真:「東京スポーツ」企業サイトより)
〈ツチノコ発見〉〈プレスリー生きていた?〉。そうしたトンデモスクープが堂々と一面を飾る新聞「東京スポーツ」こと「東スポ」。国民に愛される新聞でありながら、昨今の新聞・出版不況と無縁ではない。「社員の3分の1をリストラ」との報道も出た同社だが、救いの道筋となったのは「餃子」販売だった――。
そのユニークな新規ビジネスの裏側で、どのような物語が生まれていたのか。復活までの道のりを振り返る。本記事は、岡田五知信氏の著書『起死回生 東スポ餃子の奇跡』より一部抜粋・編集してお届けする。

「東スポ餃子」が爆誕!

あれは2021年10月上旬のこと――。新型コロナウイルス感染症の2回目ワクチン接種が世の中に浸透し、国会では菅義偉内閣が同年10月4日に総辞職。直前の9月29日には自民党総裁選挙が行われ、河野太郎を決戦投票で破った岸田文雄が自民党総裁に選出されていた。

愛読している夕刊スポーツ紙「東京スポーツ」略して東スポに、いつものように目を通していると、次のような見出しが目に飛び込んできた。

ネタじゃない! 東スポ餃子が爆誕

「東スポ餃子」? 爆誕? 意味がよく分からない。「ネッシー出産」といったトンデモ記事を一面に堂々と出す東スポお得意のUMAネタかと思ったが、餃子といっているからには食べ物の話のようだ。しかも、「東スポはガセネタや誤報ばかり」といわれているのを意識してか、わざわざご丁寧に「ネタじゃない!」と断りを入れている。いったいどういうことなのかと記事を読み進めると、そこには以下のようなことが書かれていた。

「『東スポ餃子』が爆誕――。コロナ禍で閉塞感漂う飲食店を救うため、弊社が餃子をプロデュースした。その中身は高級な青森県産ニンニクをドカンと通常の三倍も入れた〝ニンニクマシマシ餃子〞。泣く子も黙る、いや、ドラキュラも真っ青な、東スポ紙面ばりにパンチのきいた東スポ餃子(税込み2484円、業務用50個入り)をリポートする」

いつもはネタを盛大に“マシマシ”にする記事を掲載している東スポが、ニンニクを“マシマシ​”にしたオリジナルの餃子をプロデュースして販売するのだという。

いったい、どうしてしまったんだ、東スポ? 大丈夫か……?

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