景気後退懸念がインフレ懸念に勝り最大の心配に 株式相場は来年前半に底入れを目にする公算大

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金融市場で秩序が回復されつつあることは、株式の強気派にとって怖い展開だ。

景気にとって悪いニュースが株式相場にも悪いニュースになったのは久しぶりで、リセッション(景気後退)の警戒感がインフレ懸念に置き換わり、市場で最大の心配の種となった証拠が強まった。

S&P500種株価指数は15日、弱い経済データを受け米金融当局が引き締めを抑制するとの臆測から上昇するどころか、2.5%下落した。ナスダック100指数は3.4%安。小型株の指数は2.5%強値下がりし、CBOEのボラティリティー指数(VIX)は22を上回った。米10年国債利回りは3.45%付近で、今週前半の3.63%のピークを下回って推移した。

UBSグローバル・ウェルス・マネジメントのシニア米国株ストラテジスト、ナディア・ロベル氏が底入れは来年前半との見通しを語るSource: Bloomberg

エドワード・ジョーンズのシニア投資ストラテジスト、モナ・マハジャン氏は15日にブルームバーグのポッドキャストで、「懸念されるのは成長と経済の行方であり、米金融当局がリセッション(景気後退)を誘発することだ」と指摘。「市場は景気悪化に向かいつつある事実を無視しないだろう。安値に戻り、最近の上昇を一部消す可能性は確かに信頼できるシナリオだと思う」と述べた。

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