──卒論でフランス語の小説を訳し、習得した日本人が極めて少ないアフリカの言語を学び、麻薬地帯潜入のためタイ語にミャンマー語、中国語、さらに現地の「ワ語」まで。25以上の言語を習得されたとは驚きです。
いえ、今でもある程度話せるのはそのうち6つか7つで、ほかはもう覚えていませんね。目的が達成されると使わなくなるので、忘れてしまうんです。
日本を代表する生態学者で『文明の生態史観』を書いた梅棹忠夫氏は「現地調査を終えると、そこで使った言語は忘れてしまう」と言ったそうですが、気持ちはわかります。
──それでも学習の軌跡を振り返ると、天才までの距離は1億光年よりはるかに近いのでは。
天才はやはり違います。本書では探検部の後輩にいた真の天才を紹介していますが、彼は単語を1回聞いたら忘れないほど記憶力がいい。日本語にはない微妙な音も聞き取れるほど耳もいい。実際に、天才のように語学を駆使します。私は1回どころか何回聞いても忘れてしまい、同じことを繰り返し練習して何とか習得してきたタイプ。天才ではありません。
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