快走するアップルの新兵器 iPad2の破壊力!

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新味はないが着実な進化と改善

米国では3月11日、日本では25日にデビューするアイパッド2。これまでも行っていることだが、新モデルへの移行をスムーズに進めるため、旧モデルの値下げも実施した。アイパッド2の発表と同時に、初代機の価格を6モデルとも100ドル値下げ。しかも、発表前2週間以内に購入した顧客には100ドルキャッシュバックすることで、直前に買った顧客の不満を和らげた。日本でも大幅値下げを行っており、Wi−Fi(無線LAN)の16ギガバイトモデルであれば従来の4万8800円から3万5800円になった。

「アイパッド2にはそれほど新味はない。ジョブズの突然の登壇は、そうした新味の無さを隠す効果が大きかった」--ネットメディアなどではそのような辛口の評論も目立った。確かに、ジョブズCEOが登壇せず、ティム・クックCOOや、フィル・シラー上級副社長などがプレゼンテーションをしたとすれば、印象は大きく変わっただろう。冷静に見れば、初代機からの進化はわずか。むしろ変わらない点のほうが多い(下表参照)。

とはいえ、アイパッドが進化を止めたわけではない。ウィンドウズパソコンの衰退を加速させる「ポストパソコン製品」としての破壊力には、ますます磨きがかかっている。スペックだけを見れば最先端とはいえないが、オーソドックスな形で、着実な進化を遂げている。

心臓部であるプロセッサーは一つのCPU(中央演算処理装置)で構成される「A4」から、二つのCPUで構成される「A5」へとバージョンアップした。この半導体セットはサムスン電子が受託製造しており、CPUのほか、動画などのグラフィックを処理する半導体も組み込まれている。CPUの処理速度は従来比2倍、グラフィックの処理速度は従来比9倍だ。

さらに本体の背面と前面に二つのカメラが付いた。これにより、アイフォーン4と同様、Wi−Fi経由で「フェイスタイム」を通じたテレビ電話が可能になり、ハイビジョン画質でのビデオ映像も記録できるようになった。

意外に重要な進化が、従来機よりも軽く薄くなったこと。初代機では片手で持っているとその重みで手が疲れてしまう、という欠点があったが、12~15%軽量化したことで、持った感じがかなり変わった。

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