日産自動車とルノーとの間で資本関係の見直しに向けた議論が大詰めを迎えている。日産社内からは「いびつな関係」との声もあった2社の関係は、今なぜ変わろうとしているのか。双方の思惑に迫る。
10月初旬、三重県の鈴鹿サーキット。F1シリーズ第18戦として3年ぶりの開催となった日本グランプリは、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)の2年連続総合優勝に沸き立った。
その会場には、アライアンスを組む日産自動車、ルノー、三菱自動車3社の首脳が顔をそろえた。日産や三菱自の関係者によると、ルノー側から誘いがあり、観戦に加えて、F1ドライバーとの交流の機会も持たれたようだ。「トップ同士はこれまでになく密接で、信頼関係ができあがっている」。日産や三菱自の幹部からはそうした声が聞こえてくる。
電動化技術の開発や部品の共通化で連携し、20年以上にわたって協力関係を拡げてきた日仏自動車連合。一時は崩壊の危機に陥ったが、コロナ禍を経て再び結束する3社連合は大きな転機を迎えている。
急速なEVシフトが転換点に
ポイントは大きく2つある。
まず、ルノーが11月8日に計画を発表する予定の電気自動車(EV)新会社への参画だ。2023年の株式公開方針をすでに発表し、ルノーのルカ・デメオCEOはアライアンスを組む日産と三菱自にも出資を呼びかけている。
ルノーとしては、今後欧州で急速な拡大が予想されるEV市場に特化した会社を立ち上げることで市場から資金を集め、研究開発投資に充てる構図を描く。
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