リピーター100名超、「秋田県の教育留学」はなぜそんなに人気なのか? 各家庭のニーズに対応する複数の留学メニュー

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北秋田市の教育留学拠点「合川学童研修センター」

あきたリフレッシュ学園とは、もともと県内外の不登校児童生徒を支援しようと、2008年に県と北秋田市が合川学童研修センター内に開設した施設だ。16年度からは北秋田市の事業となり、県内全域の不登校児童生徒を受け入れている。こうした背景もあり、生活改善型の長期留学生にも対応しやすくなっているという。

多様なニーズに応える長期留学だが、20年度以降はコロナ禍の影響でやむなく受け入れを中止。ようやく今年9月に入り、合川小・中学校への通学を伴わない「1カ月程度のお試し留学」という形で再開、大阪府在住の中学2年生1名を受け入れることができた。

今年9月、お試し留学で来県した中学2年生

「いい表情で北秋田市の方々と過ごしていて、あきたリフレッシュ学園に通う児童生徒たちとも、スポーツや将棋、釣り、サイクリングなどを一緒に楽しんでいました」と、佐々木氏は話す。

コロナ禍で「家族留学」が人気、探究型授業の体験も

1週間弱の「短期チャレンジ留学」も人気だ。秋田の教育と地元の資源を生かした自然体験を提供するのは長期留学と同じだが、夏休みや冬休みに実施するので気軽に参加しやすい。とくに夏は県外との夏休みのずれを生かして8月下旬に実施しているので、8月いっぱい夏休みとなる地域の児童生徒は、在籍校を休まずに秋田県の学校に通うことができる。

しかし、残念ながらこの短期チャレンジ留学も、夏はコロナ禍の影響により2020年度以降、中止が続く。そんな中、好評なのが「家族留学」だ。いわば短期チャレンジ留学の親子版で、「コロナ禍でもご家族がいれば、もしものときの対応も可能と判断し、21年度から実施しています」と、佐々木氏は説明する。

今年は、8月4日~7日、仙北市で開催。8家族(計18名)が参加した。農家民宿に泊まり、親子で農業体験やカヤックを楽しんだほか、子どもたちは劇団わらび座による演劇体験と、秋田県が20年以上前から取り組む独自の探究型授業に挑んだ。授業を担当した佐々木氏はこう振り返る。

「今回は、田沢湖で絶滅した固有種のクニマスを題材にしました。冒頭の30分はクニマスに関するファクトをレクチャーし、その後は子どもたちが疑問に思ったことや感じたことを付箋に書いて意見交換。そして、なぜクニマスは田沢湖に住めなくなったのかなどの共通の疑問について調べました。本県の探究の基本プロセスをそのまま再現しており、低学年には少し難しかったかもしれませんが、高学年は丁寧に取り組んでいました」

今年の夏に仙北市で開催された家族留学。親子でカヤック体験(左)、子どもたちが秋田の探究型授業を体験している間(右)、保護者たちは田沢湖のビール工場を見学
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