テレビドラマ化された『校閲ガール』や、SNSでしばしば話題になる新聞・出版各社の“神校閲”などの影響で、「校正・校閲」の仕事が注目を集めている。出版社に勤務したのち独立し、今は年間20〜30冊の書籍の校正に携わる人気校正者が、日々の仕事や文章との向き合い方を「著者」としてつづった。
──出版や報道を支える仕事として、校正・校閲が広く知られるようになりました。
よく言われるのは、『校閲ガール』の影響です。同業者も、「昔はどういう仕事か全然わかってもらえなかったけど、今は校閲と言うだけでドラマのあれね、と伝わるようになった」と。
本書はそれより前か当時の非常に早い時期に、長く付き合いのある編集者から執筆依頼があって書いたのですが、『校閲ガール』以降、ほか数社の出版社からも本を書かないかと言われました。「校閲ブーム」のような状況があったのかもしれません。
校正は「完璧」のない仕事
──本書には、校正の仕事の魅力と大変さが詰まっています。
出版社に勤めた10年間も、フリーランス校正者になってからも、日々ゲラ(校正用の試し刷り)と向き合う中で悩んだり、新たな発見をしたりしています。私は1冊の本の校正に2週間ほどかけますが、2週間は長いようで短い。
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