JDI、キリン工場跡地に液晶工場新設へ 投資1700億円はアップルが大半を負担

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 3月6日、ジャパンディスプレイは、石川県白山市に第6世代(G6)液晶新工場を建設すると発表した。写真はロゴ、千葉県茂原市で2013年6月撮影(2015年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 6日 ロイター] - ジャパンディスプレイ<6740.T>は6日、石川県白山市に第6世代(G6)液晶新工場を建設すると発表した。投資額は1700億円。関係者によると、投資資金の大半は米アップル<AAPL.O>が負担。量産する液晶は、iPhoneの2016年のモデルに供給する。

白山市のキリンビール北陸工場跡地の取得契約を締結後、15年4月までに建設を開始し、16年夏までの稼働を目指す。

G6ガラス基板(1500×1850ミリメートル)で中小型液晶を量産する工場で、第1期工事として、1700億円を投じ月産2万5000枚の能力を持つ設備を建設する。最大能力として同7万枚以上に拡張できる。第2期以降の設備投資は、今後の課題として検討する。

新工場は、iPhoneの16年のモデルに供給するが、アップル専用とせず、中国スマホメーカーなど他社へも供給する予定。アップルのiPhone用液晶は、JDIのほか、韓国のLGディスプレイ<034220.KS>、シャープ <6753.T>が供給している。JDIが新工場を完成させれば、iPhone向けでは最大の供給者になる見込み。

関係者によると、新工場の建設はアップルからの増産依頼によるという。交渉の結果、第1期の1700億円の投資資金の大半をアップルが負担するとともに、アップル以外の他社メーカーへ液晶供給も承認を得た。新株発行や有利子負債による資金調達なく建設する予定で、キャッシュフローがマイナス体質の同社にとって有利な契約となった。

13年6月に稼働した茂原工場(千葉県茂原市)に続き、同社にとって国内で7か所目の液晶工場。茂原工場もG6サイズのガラス基板を使用し、生産能力は月5万枚だが、15年3月には稼働率が90%を超える見込み。スマホ用液晶の需要増をにらんで新工場の建設に踏み切る。第1期工事が完了すれば、同社全体の液晶生産能力は20%以上増強される。 

 

(村井令二 編集:内田慎一)

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