米倉涼子「ハマりそう」が印象に残る話題CMの正体 トヨタ「クラウン」を上回ってネット検索された訳
「ねえ、知ってる?」
装飾を排した真っ青な空間のなか、女優の米倉涼子さんが、ある商品を片手に視聴者へと語りかける。
「何これ? 軽っ」「何これ、パワフル」「ハマりそう」
これはドリームファクトリーが手掛ける美容機器「エクサガンハイパー」のテレビCMの一コマだ。1分間に最大約3000回の振動により顔から足まで前進のトータルボディケアができるという触れ込みの商品である。
放映されたCMには2パターンがあり、どちらもクリエイティブはほとんど同じ内容だが、1つはラストカットに取扱店への誘引を促すCTA(Call to Actionの略)があり、もう1つにはCTAがない。
「詳しくは、ウェブで」は効果があるのか?
「詳しくは、ウェブで」
テレビCMの最後に入るフレーズ。興味を持ち、思わずスマホを手に取ってウェブ検索した──そんな経験がある人もいるかもしれないが、実際のところ効果はあるのだろうか。
数年前まで、テレビCMの効果は「GRP(広告出稿回数ごとの視聴率を足した数値)」や、広告認知・ブランド認知などの調査データなどで測られることが多かったが、その方法では本当に視聴者の行動を促したのかどうかがわかりづらいことが課題とされていた。
それを受けて、「指名検索」という別のアプローチも出てきた。テレビCM放映中のブランド名や商品名での指名検索数の変動を測り、視聴者の動きを把握しようとする手法だ。これをさらに掘り下げた「指名検索スコア」は、CM放映の前後数分間に増えた指名検索数をCMのインプレッション数で割って算出するが、理論上はこのスコアが高いほどCMによってブランド名がより効果的に検索されたことになる。
今回は、2022年7月に放映されたテレビCMにおける「指名検索スコア」を、筆者たちが所属するノバセルが提供する、あらゆるテレビCMの効果を可視化する「ノバセルトレンド」で調べてみた。
なお、指名検索数は検索エンジン側で指数化したものを使用し、インターネットに接続しているテレビでのCM接触率から全世帯での表示回数を概算した数字をインプレッション数とした。