コロナ禍で利用者増「ゴルフ練習場の進化」が凄い 球の弾道をモニターで確認できる最新システム
ライバルは「トラックマン」だ。トラックマンは2003年にデンマークで創業。軍事用に使用されていたドップラーレーダー式弾道追尾システムをゴルフに応用し、ボールのスピード、スピン、クラブヘッドスピードなど20項目以上を計測できる。トーナメント会場の練習場でタイガー・ウッズ、松山英樹などの世界のトッププロが打席の後方に置いて、自分の弾道をチェックしていることでも有名だ。
プロが使う「トラックマン」を練習場に応用
測定項目を絞って、ゴルフ練習場用に展開しているのが「トラックマンレンジ」だ。日本では2019年から展開、国内設置練習場は急速に増えていて、世界で見るとヨーロッパで100カ所以上、米国、アジアにも広がっている。計測データは練習に必要な8項目(キャリー、トータル、ボールスピード、最高到達点、打出角、左右打出角、キャリー左右、ピンからの距離)に絞り、またバーチャルゴルフや、選択したホールを攻略するまで繰り返し練習することもできる。
導入費用についてトラックマンに確認したところ、練習場の打席構成によっても異なるが、例えば2階建て50打席で機材・工事・トレーニング費を含め2500万円、2年目以降はソフト・サポート費用として550万円とのこと。
実際にトラックマンレンジを導入している神奈川県のハンズゴルフクラブの鞍橋義則総支配人は「今まで感覚に頼って打っていた重要な距離を、しっかり把握できる機器であるということでトラックマンレンジを導入しました」とのこと。また導入により「導入以前は月平均で1万5000人だったところ、現在は月平均で2万人にご来場いただいている」とのことで、トラックマンレンジとメンバー制を紐づけたことの効果が出ているようだ。
さらに、「来場平均年齢が60歳から47歳に若返りました。シニアが減ったのではなく、感覚的な練習から数値に基づいた練習をすることができるようになって、ボリュームゾーンが変わった」(鞍橋総支配人)とのことで、どの業界でも課題となっている若い世代の取り込みへの一つの答えとなるのかもしれない。
新しいテクノロジーの導入は、ゴルフ練習の効果を上げるだけでなく、ゴルフの楽しみの幅を広げている。ゴルフ場に行かなくても、練習場だけで、シミュレーションゴルフなどでゴルフのプレーを完結できる。練習場はゴルフ場に比べてアクセスは間違いなくいい。これからゴルフの楽しみを女性、若い世代、またゴルフ場をリタイアしたシニア、など多様な人たちに広げるためにも練習場の役割はますます重要になってくるだろう。
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