小学校受験の魅力と人気校の特徴、アフタースクール充実などで共働きも増加 小学校受験2023、入試動向や合格のポイント
「当事者意識を持つ」子どもが難関校に合格する
ただ人気校となると倍率が高く、10倍を超えるところもある。どんな子どもが合格しやすいのか。
「例えば、慶応義塾幼稚舎や横浜初等部に合格する子どもが、早稲田実業学校初等部にも合格したりしています。共通しているのは自立していること。自立というと、お行儀や生活面のことを思い浮かべるかもしれません。もちろんそれも大事ですが、当事者意識があるかどうかが、ポイントです。何事も人任せで、やってもらうのが当たり前という子どもは難しい。でも、自立心がまだ育っていない、語彙が少ない、言われていることの意味がわからないという子でも、体験を重ねることで成長を促すことは可能です。初めは人まねでいい。だんだんと自分のオリジナリティーを出せるようになっていきます」(飯田氏)

(写真:伸芽会提供)
小学校受験というと、幼児教室に通うだけでなく、家庭でやらなければならないことも多く負担が大きいと聞く。以前は「専業主婦(夫)でないと難しいのでは」というイメージが強かったが、最近では共働き家庭も増えているという。冒頭で紹介した保護者の家庭も共働きで、父親も積極的に参加して小学校受験に挑んだ立場からメリットをこう話す。
「私立はアフタースクールが充実している。学校内で専門の職員が18時くらいまで見てくれるため、共働きにはうれしい。追加で費用はかかるものの、サッカーや水泳、クラシックバレー、そろばんなど学校内で習い事もできる。入学してからの費用が公立より高く悩んだが、受験をしてよかった」
実際、放課後に児童を預かる学童を開設するなど、共働き家庭を応援する対策を講じる学校も多く検討しやすくなっているようだ。中には専任教員が、放課後に宿題の指導をしてくれる学校もある。飯田氏もこう話す。
「最近では仕事のスキルを生かして、スケジュールを管理したり、マネジメントをしたりして、受験に参加するお父様が増えています。われわれの経験からいっても、お父様が関わったほうが合格する率が高い。受験をきっかけに、絆が強まる夫婦も多いです。小学校受験の最大の利点は、受験をきっかけに、夫婦で真剣にわが子の教育に向かい合うことだと思います」
23年度入試は、これから本格化していく。合否に限らず、わが子の教育に向き合った時間、経験を次につなげたいところだ。
(文:柿崎明子、編集部 細川めぐみ、注記のない写真: Fast&Slow / PIXTA)
東洋経済education × ICT編集部
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