小学校受験の魅力と人気校の特徴、アフタースクール充実などで共働きも増加 小学校受験2023、入試動向や合格のポイント

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大学付属は不動の人気、系列の高校の東大合格者数も影響

では最近は、どんな学校に人気が集まっているのか。大学入試センター試験の廃止や入学定員厳格化など大学入試改革の影響で注目を集めた大学付属は、今も不動の人気という。とくに難関大の付属小は倍率も高い。

「慶応義塾大学、早稲田大学、青山学院大学、立教大学系列の小学校には根強いファンがいて成城学園初等学校、成蹊小学校などの伝統校も人気です。埼玉県にある浦和ルーテル学院小学校は、19年に青山学院大学の系属校となったことで、一気に志願者を増やしました。波及効果で近隣のさとえ学園小学校や星野学園小学校の志願者も増えています」(飯田氏)

19年度に大学付属の小学校に入学、現在4年生の子どもを持つ母親は「付属でなければ駄目と言うことはなかったが、自分が大学受験で苦労したので大学が付いている安心感を子どもに持たせてあげたかった」と話す。

「実際に他大学を受験する際は、系列大学への進学をいったん放棄しなければならないものの、不合格になってしまった場合は系列大学に進学できるというのも選んだポイントだった」という。大学まで保証されているという安心感は大きいようだが、大学受験はかなり先となるため、系列校に進学する際の自由度や他大学を受験する際の条件なども確認しておきたいところだ。

新しい学校では、19年に開校した東京農業大学稲花小学校が、開校当初から高い倍率となっている。英語はもちろん、農場に行ったり野菜を栽培したりと東京農大とも連携しながら体験学習に力を入れている学校だ。「最近は就職でも理系が優位なため、理系に強いイメージが保護者に支持されたのでは。東京農業大学第一高校が東京大学に合格者を出すなど、難関大の進学実績を上げているのも好感を呼んでいる」と飯田氏はみる。

開校当初から高い倍率となっている東京農業大学稲花小学校
(撮影:尾形文繁)

最近のトレンドでは、中学受験に強い小学校も人気だ。とくに洗足学園小学校は筑波大学附属駒場、開成、桜蔭、女子学院、灘など多くの児童が難関中高一貫校に合格していて、注目されている。学校自身も「全員が中学校受験をする小学校」と打ち出しており、小学校のカリキュラムを早く終えて中学受験に備える、また進路支援なども手厚く行っている。「22年、洗足学園高校は東大に合格者を20人輩出している。系列の高校の東大合格者が2桁になると、小学校もとたんに志願者が増える」(飯田氏)という。

また私立ではないものの、公立初の小中高一貫教育校として22年に新設された東京都立立川国際中等教育附属小学校は、開校当初から注目されていた学校だ。公立ながら英語や語学教育に特徴があり、今やかなりの人気校となっている。その影響で東京学芸大学附属小金井小学校など、同じ多摩エリアにある学校の志願者も増えているという。

一方、関西の小学校受験事情はどうなのか。首都圏ほど盛んではないものの、難関の中高一貫校には一定の需要があり、飯田氏は「とくに最近では、大阪の城星学園小学校が大阪星光学院中高に、京都のノートルダム学院小学校が洛星中高に進学できるルートを作ったことで、人気が上がっている」と話す。

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