アメリカやヨーロッパなど各国が半導体産業の政府支援に乗り出している。そして日本でも政治サイドの動きが活発化している。大胆な提言をまとめた「半導体戦略推進議員連盟」の事務局長に話を聞いた。
──日本の半導体産業・技術がふたたび世界を主導していく存在になるために、政府も支援を拡充すべきだと打ち出しました。半導体産業をそこまで後押しする理由は何ですか。
世界中で半導体が不足しており、自動車などの最終製品を作る業界が困っている。まずはそれを解消する必要がある。
加えて、日本の劣勢を挽回するチャンスを今迎えている。半導体の世界では、微細化に代わる将来技術の研究が進んでおり、ゲームチェンジが起きようとしている。日本が各国と同じスタートラインに立つことができ、半導体生産で復活を狙えるタイミングだ。
もう一つは経済安全保障の観点。世界のトップの国々においては今後、AI(人工知能)や量子コンピューター、5Gなどの通信システムが競争力の根源になる。それらに深く関わってくる半導体については、西側諸国、特にアメリカとしっかりと組んで作り上げておかないといけない。
こうした流れを考えると、民間に任せるだけでなく政府の後押しがいる。アメリカ、ヨーロッパともに半導体産業の支援に動いている。日本も同じ西側諸国の共同体として予算を確保すべき。そこで議連は、官民合わせて10年で10兆円規模の投資が半導体産業には必要だと提言した。
投資の主体はあくまでも民間
──なぜ10兆円規模の投資額が必要なのでしょうか。
目安として示したものであって「金額ありき」ではない。G7(主要先進7カ国)国家である日本として、やはり最先端技術を持っておくべきとなれば、そのために必要な分を予算としてつけないといけない。
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