報告会終了後には、次のプロジェクトのアイデアを出し合いましたが、新たなプロジェクトを企画する子もいれば、「もう一度同じプロジェクトを頑張る」というグループもあり、みんなクラスプロジェクトの面白さに目覚めた様子が見られました。
昨年度は1学期の間に学級づくりができていたこともあり、2学期からのPBLがうまくいった部分は大きいのですが、半年間に「ツリーハウスを作る」「リサイクルマーケットでお買い物」「クラス紹介映画を作る」などいろいろなプロジェクトを実現できました。その中で子どもたちがどんどん「自立した学び手」に近づいていくのを目の当たりにし、「ほかの教科においてもPBLのゴールドスタンダードを組み込んで学習を進めることができるだろう」という確信も得ることができました。
今年度は1年生の担任をしています。現在、PBLスタートに向けた下地づくりの真っ最中! 学級内に「文化をつくる」ため、4月当初から安心して学習に取り組むための「詩集音読タイム」「10ます計算」「百人一首」といった「お決まりの活動」の継続や、掃除などの教室内の活動における「子どもの声や選択」の機会の保障、コミュニケーションゲームを用いた「子ども同士の日常的な協働」などに取り組んでいます。僕も含め、毎日わくわくが生まれる学校生活を過ごしています。
さて、この定期連載は今回で一区切りとなります。今後PBLがどう進んでいくのか、子どもたちがどう成長していくのか、機会があればまたお伝えしたいと思います。常日頃より「教師以上にエキサイティングな仕事はない!」と感じています。よりよい未来を子どもたちと共につくるため、引き続き一緒に学び続けていきましょう。ありがとうございました。

1978年生まれ、北海道出身。東京都の公立小学校教員として14年間勤務。2016年、主に病気休職の教員の代わりに担任を務める「フリーランスティーチャー」となる。これまで公立・私立合わせて延べ11校で講師を務める。NPO法人「Growmate」理事としてマーシャル諸島で私設図書館建設にも携わる。近著に『マンガでわかる!小学校の学級経営 クラスにわくわくがあふれるアイデア60』(明治図書)
(写真:田中氏提供)
(注記のない写真:Fast&Slow/PIXTA)
執筆:田中光夫
東洋経済education × ICT編集部
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