有力機関による調査・研究リポートからビジネスに役立つ逸品をえりすぐり、そのエッセンスを紹介。
コロナ長期化で変動する牛肉需要
外食減少に加えて国際相場が上昇
・農林中金総合研究所「コロナ禍の長期化がもたらす牛肉需要の変化」(2022年5月11日)
・農林中金総合研究所 食農リサーチ部 主席研究員 長谷川晃生
新型コロナウイルス禍は、国内の牛肉需要にも大きな変動をもたらした。
コロナ禍前、牛肉の国内消費の3割は外食が占めていた。だが、牛肉消費に関連する焼き肉業態の2021年の売り上げは、コロナ禍前の19年比で22.5%も減少。外食産業全体での需要減が継続しているとみられる。
家計消費での牛肉購入量は、20年には前年比9.9%増と伸びた。それが21年には反動減(6.2%減)となり、コロナ禍前(17~19年平均)比では1.9%増にとどまった。豚肉、鶏肉の21年の購入量はコロナ禍前比でそれぞれ6.6%増、9.6%増と高い伸びを示したが、牛肉の伸びは鈍化した。
その背景には輸入牛肉の価格上昇がある。21年に入ると世界的な牛肉需要の回復などで国際相場が上昇。輸入牛肉の小売価格(東京)は21年度、前年度比7.0%上昇となった。内食での牛肉利用は敬遠され、安価な豚肉、鶏肉の消費が拡大した。
和牛は、好調な輸出と「和牛肉保管在庫支援緊急対策事業」(20~22年度)の安価販売により需給バランスが保たれてきた。だが、外食の需要減の長期化や、物価高騰による家計の緊縮がもたらす影響が懸念される。
中銀デジタル通貨をめぐる手数料
公共性優先か、民業配慮か
・ニッセイ基礎研究所「CBDCの公共性と民業圧迫〜民間ビジネスに及ぶ影響の考察」(2022年5月16日)
・ニッセイ基礎研究所 総合政策研究部 准主任研究員 鈴木智也
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