有力機関による調査・研究リポートからビジネスに役立つ逸品をえりすぐり、そのエッセンスを紹介。
地方型サテライトオフィスの動向
企業・社員・地域の「三方良し」を目指す
・四国経済連合会「サテライトオフィス・ワーケーションが地域を変える」(2022年5月)
・四国経済連合会、四国アライアンス地域経済研究会
総務省の2021年の調べでは、地方公共団体が関わったサテライトオフィスの開設数は全国で916カ所に上る。本リポートは四国圏における現状を調査し、地方型サテライトオフィスの将来性を考察する。
77カ所と都道府県別で全国2位の開設数を誇るのが徳島県だ。同県は11年の地上デジタル放送切り替え時に、県下全域に高速ブロードバンド網を整備した。大都市と遜色のないネット環境の下、人口6000余の同県美波町では20社のサテライトオフィスを誘致。移住者の増加や飲食店・宿泊施設の開業で空き物件の解消を実現している。
一方、四国にサテライトオフィスを開設した企業への調査でも、「地域の人材を採用できる」(60.0%)、「新規事業の開拓につながった」(34.3%)、「社員の生産性が向上した」(28.6%)などのプラス効果が目立った。サテライトオフィス開設をきっかけに、企業良し・社員良し・地域良しの「三方良し」の好循環が生まれると本リポートは指摘している。
ただ、多くの地域ではテレワーク向けインフラの拡充が課題。通信環境の整ったコワーキングスペースを増やし、市町村間で連携を図ることも求められる。
日本の住宅「使い捨て」の悪循環
根強い新築重視、進まない中古流通
・大和総研「住宅『使い捨て』と環境負荷」(2022年5月19日)
・大和総研 経済調査部 主任研究員 市川拓也
住宅の建築・解体には大きな環境負荷がかかる。建築する際はCO2を吸収する木々が伐採されるだけでなく、製造過程でCO2を排出するコンクリートが使われる。解体する際には産業廃棄物が発生する。
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