必修化から2年、進まぬ小学校プログラミング教育の底上げ目指す「Type_T」とは はじめの一歩には「アワーオブコード」がお薦め

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“はじめの一歩”としてお薦めの教材は、「Hour of Code(アワーオブコード)」。サイトにアクセスするだけで、ゲームや映画、アニメのキャラクターを画面の中で動かしてプログラミングに取り組むことができます。「プログラミングは苦手」という先生も、「まずは子どもたちと一緒に触ってみよう」くらいの気持ちで取り組んでみることが大切だと思います。

――勤務校では、どのような実践を行っているのですか?

昨年度は6年生の担任だったのですが、25個のLED、2個のボタンスイッチ、明るさセンサー、加速度センサー、温度センサーなどが搭載された「micro:bit」を使用した授業を行いました。「micro:bit」のプログラミングは、パソコンのブラウザー上でカラフルなブロックを組み合わせて行うもので、プログラミングが初めての児童も簡単に扱うことができます。

まずは、2学期の図工の「きらめき劇場」の単元でプログラミングを取り入れました。LEDライトにペットボトルを置いたりなど自分の好きな形のランタンを作り、「micro:bit」をつなげてLEDの色や明るさを変化させる授業を行いました。

「micro:bit」を使った授業についてのワークショップ

これを踏まえ、3学期に理科の「電気の利用」の単元で、人感センサー拡張モジュールを接続した「micro:bit」を活用しました。前回の授業で手回し発電機を使って電気をつくり、エネルギーが蓄えられることや変換されることを理解したうえで、「電気を効率よく使うための方法」について学ぶ授業です。導入で、「電気の消し忘れでおうちの人に注意されたことはありますか?」と問いかけ、節電への意識を持たせました。その後、「micro:bit」を活用したプログラミングをどのように作ったら、電気を効率的に使えるのかを考えました。

子どもたちは、人感センサーを使って「周りに人がいなくなったら電気を消す」「人を感知したら電気をつける」というプログラミングや、明るさセンサーを使って「明るくなったら電気が消える」「暗くなったら電気がつく」というプログラミングに取り組みました。また、それらを組み合わせたり、違う生活の場面に置き換えて考えたりしました。

プログラミングで電気の働きを制御すれば、電気を効率的に活用できること、身の回りの多くのものにコンピューターが内蔵され、プログラミングによって制御されていることを学ぶことができました。

やりたいことの実現、課題解決のための“手段”としてプログラミングを

――プログラミングを取り入れた授業で、子どもたちの反応は? また、ほかの教科ではどのようにプログラミングを取り入れることができるのでしょうか。

鈴谷大輔(すずや・だいすけ)
埼玉県川越市立新宿小学校教諭 生徒指導主任、学年主任
NPO法人タイプティー代表。NPO法人みんなのコード プログラミング教育 養成塾(2019夏期集中コース)修了。プログラミング教育関連のイベント運営などに多数携わる。MIEE(マイクロソフト認定教育イノベーター)。共著に『事例と動画でやさしくわかる!小学校プログラミングの授業づくり』(学陽書房)、『手づくり工作をうごかそう! micro:bitプログラミング第2版』『これならできる! 学校DXハンドブック小・中・高・特別支援学校のデジタル化を推進する「授業以外のICT活用事例」』(ともに翔泳社)がある
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