知識や教養が身に付く、東大生3人が厳選「勉強と人生に役立つ漫画」20冊 「読書量と学力は相関する」に漫画は入るか

✎ 1〜 ✎ 7 ✎ 8 ✎ 9 ✎ 最新
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
文豪ストレイドッグス -1 (カドカワコミックス・エース)
『文豪ストレイドッグス -1 (カドカワコミックス・エース)』(角川書店)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

 漫画は、視覚的に5W1Hが理解できるのが大きなメリットですよね。文章を読むうえでは、状況設定を把握することが大事で、国語のほか英語の長文読解や数学の文章問題を読む際にも必要な力です。

この読解力を鍛えるのに、僕は『推しの子』(赤坂アカ原作・横槍メンゴ/集英社)が推し! 設定が複雑だけど、主人公の年齢が大学生と同じくらいなので、共感しながら状況設定をつかむ練習ができます。

田之倉 国語なら『文豪ストレイドックス』(朝霧カフカ原作・春河35/角川書店)もいいですよ。実在した文豪をキャラクター化していて、各自が自分の作品にちなんだ異能を使って戦うお話。作者と作品名の組み合わせを答える試験問題が苦手だったけど、この漫画に出合って覚えることが楽になりました。

キャラクターに影響されて変わった僕らの人生

──国語以外で、勉強に役立ったという漫画はありますか。

ヘタリア World☆Stars 1 (ジャンプコミックス)
『ヘタリア World☆Stars 1 (ジャンプコミックス)』(集英社)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

姜 『ヘタリア World☆Stars』(日丸屋秀和/集英社)です。国を擬人化したコメディーで、地理や世界史の勉強になりました。理科だと『はたらく細胞』(清水茜/講談社)が面白かったですね。

田之倉 科学の理解を深める土台づくりとして、私は『鋼の錬金術師』(荒川弘/スクウェア・エニックス)がお薦めです。

この漫画では、例えば鉄をドロドロに溶かして大砲に再構築するなど、人間が反射炉でやっていることを錬金術で一瞬のうちにやってしまいます。物質の構成要素や性質を理解し、再構築していろいろなものを作り出すわけですが、同じ物質からは同じ物質のものしか作れないなど、科学の法則を学べる一冊だと思います。

西岡 『ドリフターズ』(平野耕太/少年画報社)『ファイアパンチ』(藤本タツキ/集英社)もいいですよね。

ドリフターズ 1 (ヤングキングコミックス)
『ドリフターズ 1 (ヤングキングコミックス)』(少年画報社)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

前者は織田信長やハンニバルなどの偉人が登場する異世界転生系。信長の時代にはない携帯電話みたいなアイテムが出てきて、戦況がガラッと変わる。大学入試の世界史に、「通信技術の発達がどのような影響をもたらしたか」なんて出題があったけど、この漫画はそういう学びの本質を考えさせてくれます。

後者はダーク・ファンタジー。消えない炎に体を焼かれながら生き続ける主人公は、不死身なんですが内面は子どもで、正義感があります。周りの人の勝手な解釈によって、主人公が救世主を演じるうちに、その演技が独り立ちしていくという、宗教がつくられる過程みたいな物語。社会学の演劇論にもつながる、興味深い作品です。

──自分の考え方や人生観が刺激された作品はありますか。

 2つあります。まず『ワールドトリガー』(葦原大介/集英社)。SFアクションですが、主人公が弱いんです。弱いけど、どうしたら格上の相手に勝てるか逆算して勝利を収めていく。その思考法は今の僕の基本的な姿勢になっています。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事