政府の介入が民間活力をそいでいる。著名作家が指摘した課題は、まさに中国経済の変容を示している。
中国の経済政策を見る際、2つの立場から整理することができる。すなわち、市場メカニズムと民間経済を信頼し成長を重視する改革派と、共産党の指導と国有経済の強化、そして分配を重視する保守派との対立である。
過去10年に限定して単純化すれば、前者の代表的政治家はビジネス環境の改善を主導してきた李克強首相であり、後者は「中国夢」や「共同富裕論」を提起した習近平国家主席である。
2010年代は、その前半において、それ以前の胡錦濤政権での方向性もあり、「李克強的な中国経済」がまだ見られたが、15〜16年ごろからしだいに「習近平的な中国経済」が目立ってきた。
今年秋の党大会で習政権が第3期に入るとの観測が広がる一方で、李首相は任期10年での退任となる。ここで論点となるのは、次の5年、あるいは10年、誰が改革派を牽引するのかである。
実のところ、経済情勢に応じて、改革と保守のバランスは揺れ動く。直近でもその兆候が見られる。
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