これまで中ロ関係は蜜月だったが、ウクライナ侵攻では中国はロシアに距離を置く。中ロの微妙な関係とは。

3月7日に記者会見した王毅外相。ロシアを擁護する発言をした(新華社/アフロ)
ロシアがウクライナに侵攻して以降、中国とロシアが連携を深めるのではないかとの懸念が高まっている。中国の習近平国家主席はロシアのプーチン大統領の主張を支持している。ただしロシア支持は、中国の国家目標の実現を困難にする可能性があり、両刃の剣である。
中国にとって、台湾統一は共産党統治の正統性に関わる問題である。さらには統一できれば、台湾に戦略原子力潜水艦を配備し米国に対する核抑止力を高められるという点でも重要な政治目標である。
しかし、中国の国家目標は台湾統一にとどまらない。中国は、自らの標準、ルール、規範を国際社会に定着させ、米国に並ぶ指導的地位を獲得することを目指している。国際社会から批判され孤立すれば、その目標の達成は困難になる。そのため中国は、実質的にはロシアを支援しながらも、表面的には中立の立場を取っている。
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