中国はロシアのウクライナ侵攻を積極的に支持しているわけではない。欧州との関係も重視している。
北京冬季五輪が幕を閉じた直後、ロシアがウクライナで軍事行動に出た。そんな世界の変化の裏側でさらりと報じられたニュースがあった。ニクソン元米大統領の中国訪問50周年だ。ニクソン訪中は歴史的な大ニュースだったが、米ニューヨーク・タイムズは皮肉な見出しをつけて報じた。「これがニクソンの危惧した中ロの友情だ」──。冬季五輪を舞台にした中ロの蜜月ぶりは、同紙が指摘したとおりである。
だが、ウクライナで軍事行動が取られたことまで「蜜月」で説明できるかといえば、決してそうではない。事実、中ロ首脳会談の共同声明からは両国の微妙な温度差も読み取れる。「NATO(北大西洋条約機構)の東方拡大に反対」という一文をもって、西側メディアは「中国がウクライナ侵攻を支持」と報じたが、そのような現実はない。
共同声明を貫く一番の主張は、「米国の秩序は世界の秩序ではない」という、中ロの利害が一致するところにある。だが中国はロシアのウクライナ侵攻からは距離を置きたいのが本音だ。
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