有料会員限定

「世論工作」で日米の分断図る中国 「日本は戦争に巻き込まれる」と強調

✎ 1〜 ✎ 340 ✎ 341 ✎ 342 ✎ 最新
拡大
縮小

「日本は戦争に巻き込まれる」と強調する中国。日米同盟の強化を警戒する。

日米の外務・防衛担当閣僚による「2+2」に、中国は激しく反発した(State Department/AP/アフロ)

本欄で幾度か述べてきたように、中国は種々の「影響力工作」によって日本と米国の乖離を図り、日米同盟の深化を阻止しようとしてきた。影響力工作とは、世論工作はもとより、官界、経済界、社会などに働きかけ、政策決定に影響を及ぼす活動である。中国は「強制と協調」「威嚇と懐柔」を巧みに使い分けている。

米バイデン政権は同盟国重視を打ち出し、新たな枠組みをつくってきた。日米豪印からなる「Quad(クアッド)」や、米英豪による「AUKUS(オーカス)」である。中国はこうした動きに警戒感を募らせてきた。

日本の地政学的重要性もあり、日米同盟は中国が警戒する米国の軍事的協力枠組みの1つである。例えば、米軍が提唱するPDI(太平洋抑止イニシアチブ)の下で計画されている「精密打撃ネットワーク」は、中国の軍事戦略「A2/AD(接近阻止・領域拒否)」を無力化しかねない。精密打撃ネットワークは、中国が主張する第1列島線(沖縄からフィリピンに至るライン)に沿ってミサイル網を築くものだ。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内