広瀬すず「中途半端でやめたくない」でやってきた 街中華のラーメンも我慢して役作りに挑んだ

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勢いがあればわりときっぱりと選択できるタイプではあるのですが、バスケットボールを勢いでやめてしまったことは、いまもすごく後悔していて。普段、気持ちが沈むことはほとんどないのですが、バスケットボールのことを考えたときだけ。だから、「バスケットボール以上に長く続けられているからこそ、何かを勝ち取ってからやめたい」というのが、いまのお仕事を続けていける原動力です。

中途半端なままではやめたくない。「やめるのはいまじゃないかな」と思っていたら、意外と長く続けてこられた、というのが現状です。やめたいと思った過去を、おもしろいエピソードとしてお話できるぐらいまで自分の中で昇華させたいです。

(撮影:梅谷秀司)

――国民的女優ですから、やめられてしまったら国民が困ります! では、仕事を続けていくうえで経験したターニングポイントや、心に響いた先輩からのアドバイスはありますか。

このお仕事はたくさんの方々と出会う職業で、みなさんいい人ばかりなんです。私自身は、出会う作品や人の運はとてもいいと思っていて、毎日感謝しています。とても恵まれていますし、みなさんのことが好きすぎて、そこが、お仕事を続けていきたいと思う大きな理由にもなっています。だから、ターニングポイントは? と聞かれたら、いままで出会ってくださった全員の方々かな、と思います。

私は人に相談するタイプではないので、いままであまりアドバイスをいただいた経験がないんです。でも単純な性格なので、褒められると「本当ですか!?」と、簡単にテンションが上がって喜びます。真正面から受け止めて、「もう1回、言ってほしいな」と思うぐらいです(笑)。言ってもらえるたびにポジティブな気持ちになれますし、悩む時間はいらないな、と思えるので、みんなに助けてもらっています。

厳しい一面を持つ監督と2度目のタッグを組んで

――出会った人全員に感謝するとおっしゃいましたが、今回の主演映画『流浪の月』で7年ぶり2度目のタッグを組んだ李相日(り・さんいる​)監督は、厳しい方なのでは?

たしかに、厳しい一面を持つ監督だと思います。『流浪の月』の取調室でのシーンでは、20テイク以上撮り直しをしました。前回初めてご一緒させていただいた『怒り』では、「この映画を壊す気か」と怒られたこともあったので、「また言われるのかな」と怖気づいたので(笑)、オファーをいただいたときは「私でいいんですか?」と驚きました。

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