伊豆急、JR通勤車を「ハワイアン」に改造した狙い 元京浜東北線209系「第3の人生」はリゾートで

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209系は1993年に登場し、当初は京浜東北・根岸線で活躍した通勤型電車だ。従来の車両から車体や台車、主回路システムを見直し、現在のJR東日本の通勤型車両の基礎を築いた。南武線、八高線・川越線にも導入され、拡幅車体の500番台や千代田線直通対応タイプも後に登場した。現在は房総エリアのほか、京葉線・武蔵野線、八高線・川越線、中央線快速で運行している。

房総エリアを走る209系(写真:Jun Kaida/PIXTA)

京浜東北・根岸線の車両は後継車のE233系投入によって置き換えが進み、2009年から一部を4両・6両編成に短縮し、先頭車両の座席をセミクロスシートに変更、中間車にはトイレを設置したうえで房総エリアに転属した。現在も一部編成が活躍中だが、内房線・外房線(木更津―安房鴨川―上総一ノ宮間)および成田線・鹿島線(佐原・香取―鹿島神宮間)のワンマン化に際して新型車両のE131系が2021年3月から投入され、209系の一部は再び置き換えられることになった。

伊豆で「第3の人生」

しかし2021年7月、なんと伊豆急は209系を新型車両として導入すると発表した。その後、同年12月には元209系の車両形式を「3000系」に決定。カラーリングがどう変わるか注目されていたが、2022年3月4日にデザインと「アロハ電車」の愛称が発表された。

京浜東北・根岸線での活躍を第1の人生、そして房総エリアを第2の人生とするならば、伊豆急での運行は第3の人生といえる。「コスト半分、重量半分、寿命半分」の考え方のもとで誕生した通勤電車が、伊豆の観光列車として生まれ変わった理由は何だろうか。

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