サイバー、「ウマ娘」頼みじゃない広告王の正体 2022年度の売上高は初の7000億円台を見通す

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サイバーエージェントが粘り強く成長を続けている。

スマートフォンゲーム『ウマ娘 プリティダービー』で我が世の春を謳歌した2021年9月期は、売上高6664億円、営業利益1043億円と過去最高の業績をたたき出した。2022年9月期の業績予想はウマ娘などゲーム事業の動向が見通せないとして、会社側はこれまで非開示としてきた。

ただ2022年1~3月期決算を発表した4月27日に通期予想を公表。売上高7000億円、営業利益700億円とした。利益率の高いゲーム事業の反動減があり減益予想だが、売上高に関しては増収の見通しだ。

「ウマ娘の反動が心配されたが、それをはね返すトップライン(売上高)の伸びとなった」。藤田晋社長が決算説明会でそう振り返る直近1~3月期は、売上高1911億円、営業利益257億円となり、ともに過去2番目規模となった。

そのうちインターネット広告事業は売上高970億円(前年同期比20%増)、営業利益74.7億円(同3%増)とともに過去最高を更新。さらにインターネットテレビ局「ABEMA」などを展開するメディア事業も営業損失は19億円(前年同期比で15億円改善)となり、ABEMAを開局した2016年4月以降、初めて四半期で赤字が20億円を切った。競輪のネット投票サービスが牽引した。

東洋経済オンラインでは4月上旬に「サイバーエージェントの正体 進化するネット広告王」を特集。ゲームの爆発的ヒットだけではないサイバーエージェントの強さに迫った(下記の記事は無料の会員登録でお読みいただけます)。

激務でテックな「ネット広告王」の素顔

2021年末には社員数が6000人を超えた(撮影:今井康一)

1998年の藤田晋社長による創業以来、着々と収益を積み上げてきたのは、広告主から予算を預かり、グーグルどさまざまなプラットフォームで広告を運用するネット広告代理店としてのビジネスだ。

長い間、電通グループや博報堂DYホールディングスなどの大手を突き放し、サイバーエージェントはネット広告市場でトップを独走してきた。その背景には「3つの徹底的な追及」がある。>>記事はこちら

サイバーが「広告王」に上り詰めた理由

20年以上営業の最前線に立ち続けた岡本保朗副社長(左上)と、AIなどテクノロジー開発を率いる内藤貴仁常務(左下)(写真は左上・左下ともにサイバーエージェント。右は撮影:今井康一)

ネット広告代理店として拡大を続けるサイバーエージェントには、2人のキーマンが存在する。1人目は藤田晋社長が全幅の信頼を置き、広告事業の舵取りを託している岡本保朗副社長だ。

もう1人は内藤貴仁常務。AIによる広告配信の最適化といった技術力が、広告業界での競争力を大きく左右する中、それらの研究開発を率いる。広告事業を”二大巨頭”として指揮する2人に、強みの源泉を直撃した。>>記事はこちら

サイバー社員は「会社が大好き」、独特文化の裏側

ITベンチャー企業が集まることから、”ビットバレー”ともいわれる渋谷。この街を代表するIT企業がサイバーエージェントだ(撮影:今井康一)

1998年の創業以来、事業の成長とともに社員数も増え、2021年末には6000人を超えた。独特な文化が注目を集めることも多いサイバーエージェントという会社は、社員の目にどう映っているのか。現役社員やOBに話を聞いた。>>記事はこちら

アベマ「サッカーW杯放送」でも長い黒字化への道

インターネットテレビ局「ABEMA」は2022年11月に開幕するサッカー・ワールドカップ(W杯)カタール大会の全64試合の放映権を獲得し、無料生中継する。アベマとしては過去最大の投資だ。(記者撮影)

サイバーエージェントとテレビ朝日が合弁で運営するインターネットテレビ局「ABEMA(アベマ)」。2016年4月の開局から6年が経過し、メディアとしての存在感を着々と高めてきた。

ただ、藤田社長が初年度から宣言してきた「年間200億円規模の赤字」を出す投資フェーズの出口はいまだ見えていない。コンテンツが飽和する時代に、アベマなりの立ち位置をどう見出すのか。>>記事はこちら。

中川 雅博 東洋経済 記者

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なかがわ まさひろ / Masahiro Nakagawa

神奈川県生まれ。東京外国語大学外国語学部英語専攻卒。在学中にアメリカ・カリフォルニア大学サンディエゴ校に留学。2012年、東洋経済新報社入社。担当領域はIT・ネット、広告、スタートアップ。グーグルやアマゾン、マイクロソフトなど海外企業も取材。これまでの担当業界は航空、自動車、ロボット、工作機械など。長めの休暇が取れるたびに、友人が住む海外の国を旅するのが趣味。宇多田ヒカルの音楽をこよなく愛する。

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