大統領選が浮き彫りにした韓国「格差社会」の深刻 世代やジェンダー問題が噴出、対立が深刻に

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与野党候補の得票率差がわずか0.7%となった韓国の大統領選。韓国社会の対立を象徴しているとも言えるこの結果をどう見るべきか。専門家に聞いた。

3月24日、「プレスカフェ」と名づけられたテント内で記者団の質問に答える尹錫悦氏(写真:EPA=時事)

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2022年3月9日に行われた韓国大統領選の結果は、当選した野党候補の尹錫悦氏と与党候補の李在明氏との得票率差はわずか0.7%だった。この結果が「韓国社会のさまざまな対立を表している」との評価がなされている。
韓国社会にこれまで存在してきた保革の対立に加え、貧富や世代間の格差、さらにはジェンダーの格差まで生じたという見方だ。それはなぜか。
韓国社会に詳しい社会学者で、常葉大学外国語学部の福島みのり准教授に、投票結果から見える韓国社会の現状について聞いた。

「格差社会」は韓国だけではない

――大統領選の結果をめぐって、韓国社会の「格差」がさらにはっきりしたという見方があります。

私は韓国社会に生じたいわゆる格差については、格差というよりも「葛藤」という言葉がふさわしいのではないかと考えている。

今回の選挙では20~30代男女で投票行動が分かれた。男性は今回勝利した尹錫悦氏に、女性は李在明氏に多くが投票した。

また、0.7%の得票率差ということは、20~30代でのジェンダー対立だけで説明できない。貧富や世代間などさまざまな対立がはっきりと現われた。韓国は今後もより多くの葛藤が生じ、その解消が社会的課題となるのではないか。

――「韓国は格差社会だ」と日本ではしばしば報道されています。その背景に何があるのでしょうか。

日本ではそのような報道が目につくが、どこの国と比較して格差社会と言っているのか疑問に思うところがある。グローバル社会になってから格差社会という言葉が出てきたが、格差はどこの国にもあり、ことさら韓国が「格差社会」の代名詞とされていることに強い違和感をぬぐえない。

一例を挙げると、その国の男女格差を測る2021年のジェンダーギャップ指数で、韓国は102位。日本はそれより下位の120位だ。

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