三菱重工「10年前倒しの排出ゼロ」にかける復権 1社で日本全体より多い排出量をどう減らすか

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各国政府や同業他社が掲げるより10年前倒しの「排出ゼロ」目標をぶち上げた。焦点は、1社で日本全土の排出量より多い「スコープ3」を減らすための具体策だ。

三菱重工は主力の高砂製作所(兵庫県)で水素製造から発電まで一貫して実証できる世界で唯一の施設を持つ。2025年に大型ガスタービンでの水素30%混燃を目指す(写真:三菱重工)

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世界の二酸化炭素(CO2)排出量のうち、約4割を占めるのが「発電」関連だ。政府は再生可能エネルギー関連の開発投資を後押しする一方、非効率な石炭火力発電所の早期運転終了を推進。こうした取り組みを通じ、2050年に日本の温室効果ガス排出実質ゼロ(カーボンニュートラル)の達成を狙う。

かつて日本の産業を支えた重工業にとって、この流れは死活問題だ。三菱重工業やIHIといった重工大手は、利益の半分以上を火力発電向けのガスタービンなどの発電機事業に依存する。事業の屋台骨が揺らいでいることは間違いない。

そうした中、三菱重工が2021年10月に公表した目標が注目を集めている。顧客による自社製品の使用を含めたカーボンニュートラルを、2040年に達成するというものだ。

対象となる排出量は膨大

日立製作所やアメリカのゼネラル・エレクトリック(GE)もカーボンニュートラルの目標を掲げているが、その達成時期は政府目標と同じ2050年としている。それより10年前倒しする三菱重工の計画に対し、他社の幹部は「火力発電が強い三菱重工としては、ずいぶん思い切った印象だ」と漏らす。

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