セブン、流通の巨艦ゆえに直面するSDGsの高い壁 役員報酬の算定方法変更は「序章」にすぎない

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役員報酬の算定基準に「SDGs」の要素を取り入れたセブン&アイ・ホールディングス。ただ、これは取り組みの一部にすぎない。キーワードは”自分事化”だ。

持続可能性に向けた自社プロジェクト「グリーンチャレンジ2050」に取り組みセブン&アイ・ホールディングス。成功のカギは従業員の”自分事化”にありそうだ(撮影:今井康一)

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「(社員数全体の)数%に満たない役員の報酬だけが対象で、正直言うと本当にわずか。私自身は、これだけでは済まないと考えている」

セブン&アイ・ホールディングスの執行役員で経営推進本部サスティナビリティ推進部の釣流まゆみシニアオフィサーは、真剣な表情でそう話した。自社で導入した、役員報酬算定の新手法に関する所感である。

同社は2022年2月期の支払い分から、役員報酬の算出にCO2排出量に関する新たな指標を組み込んでいる。具体的には、各人の株式報酬部分の算出係数に、各人の管掌事業部門のCO2排出削減目標達成度合いを加味する形だ。係数などの具体的な算出方法については公開していない。

ヨーロッパ発、国内でも急速に拡大

CO2排出量を役員報酬に連動させる手法は、環境意識の高いヨーロッパ発のものだ。デロイト トーマツが2021年に行った調査によれば、イギリスでは賞与への連動を行っている企業が66%、中長期のインセンティブを導入している企業が27%を占め、多くの企業がすでに導入している状況だ。

こうした取り組みに詳しい日本総合研究所創発戦略センターの長谷直子マネジャーは、「国内でもここ最近急速に広がった」と話す。企業のSDGs意識に対する消費者や投資家の目が、日本でも厳しくなっているためだ。一部の企業では従業員報酬にも反映させる、さらに踏み込んだ動きも出ているという。

ただし、「連動の係数やその算出式が公開されていない場合、実際どの程度(SDGs関連施策の浸透に)有効性があるかは、判断するのが難しい」と長谷氏。冒頭の釣流氏のコメントの通り、セブン自身もこれだけで十分に”目的”を達成できるとは考えていないようだ。

その目的とは何か。釣流氏は「グループの従業員が(SDGsへの取り組みを)”自分事化”すること」だという。

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