日本電産「エース」獲得に秘めた真意 外部人材登用で半導体に本腰か

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半導体業界関係者の注目を集めた役員人事。狙いは内製化だけか。

1月には永守会長(右)が関社長(左)に失望を深めているという報道も流れたが、永守氏は「ばかな話だ」と一蹴した。写真は2020年(撮影:ヒラオカスタジオ)

モーター世界最大手、日本電産が公表した2月1日付の役員異動に関するリリース。そこには日本の半導体業界で知らない人はいないエース級の人物の名が記されていた。

「日本電産の半導体をどうするか、戦略をきちんと作ってくれるのではないか」。永守重信会長は1月26日の2021年4~12月期決算会見で、新たに迎える役員への期待を語った。その人物とは、直近までソニーグループで技術インテリジェンス渉外担当執行役員を務めた大村隆司氏だ。

大村氏は以前、半導体大手のルネサスエレクトロニクスの車載事業トップだった。19年にソニーへ移籍し、半導体子会社で副社長などを務めた。日本電産では、副最高技術責任者として半導体開発を担当する。20年に日産自動車から移籍した関潤社長に続く、車載分野での外部人材登用となる。

大村氏の第1のミッションは、日本電産が使用する半導体の安定調達だ。とくに同社が力を注ぐ、EV(電気自動車)の心臓部ともいえるトラクションモーターの駆動には、高電圧・大電流を扱うパワー半導体が必須。駆動制御を行うマイコンもセットで使われる。

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