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なかぞら・まな 1991年慶応義塾大学経済学部卒業、野村総合研究所に入社。97年野村アセットマネジメントでクレジットアナリストに。社債や国債を分析。モルガン・スタンレー証券、JPモルガン証券を経て、2008年10月からBNPパリバ証券クレジット調査部長。11年から現職。(撮影:尾形文繁)
2022年がスタートした。コロナ禍は丸2年となり、オミクロン株の行方は不透明ながら、この問題はいずれ収束するであろう。香港や台湾などの地政学リスクは、事案が生じれば大きいがこれは検討してもいかんともしがたいところがあるので、横に置く。これを前提にクレジット市場を展望すると、5つのリスクが指摘できる。
第1に、金融政策の転換期に意図せざる金利上昇の軌道を描くリスクである。欧米では相応に物価が上昇している中、金融引き締めはすでに織り込み済み。しかし、中央銀行はあくまでコントロールした緩やかな金利上昇に徹し、市場もそれを望んでいる。そうでない場合のきしみは大きく、金融市場は受け止め切れないであろう。
第2に、弛緩した財政が選挙年にさらに膨張するリスク。ドイツは連立政権が誕生したばかりだし、フランスは4月に大統領選挙があり、日本の参院選は7月だ。選挙のときには人気取り政策が先行し、財政政策が拡張しやすい。そうでなくともコロナ禍で財政は拡張している。
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