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2022年は日銀のビッグサプライズか 日本だけ低インフレが続くとは言い切れない

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ささき・とおる 2015年6月から現職。03年4月からJPモルガン・チェース銀行でFXストラテジストとして金融市場を調査・分析。その前は日本銀行に勤務、調査統計局などを経て、国際局(当時)為替課で為替市場介入を担当、ニューヨークで米国金融市場分析も担当した。(撮影:今 祥雄)

パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長は11月末の議会証言で「インフレについて一過性という表現をやめるときがきた」と発言。その後数人のFRB高官も相次いでテーパリング(量的緩和の縮小)の早期完了や早期利上げの可能性を示唆し始めた。

米国の10月消費者物価指数前年比はプラス6.2%、コアもプラス4.6%と約30年ぶりの高水準となった。こうした中、失業率は4.2%まで急速に低下し、賃金の伸びも5%近くに達している。一方、米国の政策金利はいまだにゼロ%だ。この結果、実質金利は前代未聞の大幅なマイナス水準である。少なくとも早々にゼロ金利から脱することくらいは議論されるのに違和感がない。

こうしたインフレ率の上昇は米国に限ったことではない。JPモルガンが算出する日本を除く先進国の10月消費者物価指数前年比はプラス5.1%と、これも30年ぶりの上昇率となっている。人口動態、環境規制などを考えると、ディスインフレの時代は終わり、インフレの時代がすでにやってきている可能性は高い。本来はジワジワと進行していた変化が、新型コロナウイルス感染拡大によって一気に加速した可能性がある。

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