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「酒は1本からでも届ける 飲食店需要の回復に備え」 佐藤順一 カクヤスグループ 社長

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さとう・じゅんいち 1959年生まれ。筑波大学第一学群社会学類卒業後、81年カクヤス本店入社。専務を経て93年から現職。2000年以降、ディスカウントショップから宅配中心への業態転換を主導した。(撮影:今井康一)
「ビール1本から無料で即日配達」とうたい、東京都を中心に酒販店を展開するカクヤスグループ。2019年12月の上場直後にコロナ禍が襲い、売上高の7割を占めていた飲食店向け販売が一時は4割にまで縮小した。飲食店への客足の戻りが鈍い中、どのような立て直し戦略を描くのか。創業家3代目の佐藤順一社長に聞いた。

業務用から移管した家庭用の月間配送枠

減少した店舗からの業務用配送をすべてセンターに集約、空いた月間10万件の配送枠を家庭用に。従来比で倍増となる。

──10月末に東京や大阪で飲食店への時短要請が解除されましたが、酒類販売に影響はありますか。

時間制限などが解除され、飲食店はフルで営業できるようになったが、酒の売り上げは大きく戻ったわけではない。夜8時までの時短営業をしていた週から1割増。コロナ禍前の19年と比べると、2割から3割減の状態だ。

この理由はまず、休業中に離れた従業員が戻らず、再開できない飲食店が多くあること。もう1つは、深夜の客が戻ってきていないこと。夜遅くまで開けていても来客がないので、早めに閉めているところも多い。在宅勤務が浸透したうえ、まだ感染リスクがあり、企業も大手を振って飲み会などをしたりはしないだろう。

これまで協力金をもらって休業していた飲食店が、再開したところで客が戻ってこないという感覚を持ち始めている。年明けから飲食店淘汰の本番になる。

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