あの巨大ファンドが日本のベンチャー企業に目を向け始めた。孫社長の「本気度」は、直近の決算説明会での発言にも色濃く表れている。
「嵐のど真ん中です」。11月8日に開いたソフトバンクグループ(SBG)の2021年度中間決算会見。孫正義社長は冷静な様子でそう口にした。
5兆円の純利益をたたき出した2020年度から一転、足元では強い逆風が吹く。直近7~9月期は純損失が3979億円となり、6四半期ぶりに赤字に転落。最大の要因は、傘下の投資部門、ソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)が赤字を計上したことだ。
中国におけるIT企業への規制強化を受け、配車アプリの滴滴出行(ディディ)など同国の上場投資先が軒並み株価を大きく下げた。さらに昨年上場した韓国のEC(ネット通販)大手クーパンの株価低迷もあり、含み損が膨らんだ。
ビジョン・ファンドのこれまでの累計損益は、9月末時点で5兆9343億円。6月末時点の7兆0947億円から一気に1兆円以上が吹き飛んだ。この大半は中国であり、たった3カ月で1兆4768億円から1321億円まで急減。孫社長は、「今まで稼いだ利益をこの3カ月ですべて吐き出した」と表現した。
「2号ファンド」に心血注ぐ
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