「5つの方針」に合う企業は日本にもたくさんある 日本の投資を担うキーマン/ソフトバンク・ビジョン・ファンド アジア地域 投資責任者 松井健太郎

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まつい・けんたろう 1973年生まれ。95年慶応大学法学部卒業、2001年ニューヨーク大学ロースクール法学修士の学位を取得後、02年みずほ証券入社。ソフトバンクの複数の買収案件を担当。16年にソフトバンクグループ入社、18年から21年までソフトバンク・インベストメント・アドバイザーズでマネージングパートナーを務める。(写真:ソフトバンクグループ)

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14兆円の巨大ファンドが日本に目を向けた理由は何か。アジア地域の投資責任者の一人、松井健太郎氏に聞いた。

──なぜこれまで日本のベンチャーに投資をしてこなかったのでしょうか。

そこはソフトバンク・ビジョン・ファンドの投資方針、1号ファンドと2号ファンドの違いから、わかってもらえるだろう。

まず、われわれの投資方針は5つある。2017年に発足した1号ファンドは、運用規模が1000億ドルだった。ここには(サウジアラビアの政府系ファンドなどの)出資者がおり、1社当たりの最小の投資額を1億ドル(約100億円)にする約束だった。

そのためには緻密な調査をするが、(リターンを考えると)規模の小さい投資では効率が悪い。だからユニコーン(企業評価額10億ドル以上の未上場企業)やデカコーン(同100億ドル以上)への投資が優先された。

初めてのファンドで投資すべき企業もたくさんあり、結果として日本の案件を拾うことができなかった。

──2号ファンドではそうした前提が変わったと。

2号ファンドでは投資先がよりアーリーな企業になり、1社当たりの投資額も小規模になった。

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