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車載電池用の「銅箔」で躍進 EV需要も狙う日米生産体制 【5759】日本電解

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テスラ向けに採用され、日米で高シェア。米国で工場新設も計画する。

社長CEO 中島英雅(なかじま・ひでまさ)1954年生まれ。77年住友金属工業(現・日本製鉄)入社。2009年同社常務執行役員、14年日鉄住金エレクトロデバイス社長を経て18年10月から現職。米国工場の買収を指揮した。(写真:日本電解)
車載電池用など電解銅箔(どうはく)の専業メーカー、日本電解。1958年創業で、投資ファンド傘下を経て今年6月に東証マザーズへ上場した。中島英雅社長に強みと成長戦略を聞いた。

──日本電解の一番の売りは何ですか。

銅箔の品質だ。当社は日本で初めて電解銅箔を製品化し、63年の歴史がある。技術的には2つポイントがある。銅箔はマイクロメートル単位の薄いものだが、製品化する際にヘナヘナだと取り扱いが難しくなる。うちの銅箔には“コシ”があって、通常の銅箔の1.5倍以上の引っ張り強さ(抗張力)がある。そのため取り扱いやすく、工場の稼働率向上につながる。また、加熱後の柔軟性(伸び率)も通常の2倍以上ある。電池は膨張と収縮を繰り返すため、銅箔の柔軟性は長期信頼性につながる。造るときはシャキッと、高温時には柳のようにしなやかに。これがうちの銅箔だ。

車載電池用銅箔で一定の品質、長期信頼性を満たす製品を供給できるメーカーは、世界でも台湾、韓国のメーカーと当社の3社しかない。現在は茨城県筑西(ちくせい)市の本社工場(月産能力750トン)で生産している。

──最大の取引先はパナソニックで、その先では米国のEV(電気自動車)メーカーのテスラに採用されています。

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