
さだやす・ひでや 1961年生まれ。84年学習院大学経済学部卒業、帝国ホテル入社。宴会部、営業部、宿泊部などを経て、2009年に帝国ホテル東京総支配人に就任。13年から現職。(撮影:尾形文繁)
旗艦ホテルである「帝国ホテル東京」の建て替えを発表した帝国ホテル。2024年度から建設を開始、完了は36年度で、事業費は2000億~2500億円の大型プロジェクトだ。また25年10月に京都への出店も打ち出している。コロナ禍で大打撃を受ける中、大型投資に乗り出す背景は何か。定保英弥社長に聞いた。
宿泊における外国人客比率(2020年3月期)
明治政府の迎賓館として生まれた帝国ホテルは外国人客の比率も高め。都市部の需要減もあり、コロナ禍での稼働は厳しい。
──今の競争環境をどう見ますか。
最新設備の外資ホテルが数多く東京に進出し、国内勢もパレスホテル東京やThe Okura Tokyoが建て替えた。現在の本館は築50年を超え、ハード面で劣っていることは否定できない。
世界標準では客室サイズの平均は50~60平方メートルだが、われわれは30~40平方メートルが多い。本館が開業した1970年はジャンボジェットによる大量輸送時代で、客室を増やし量で売り上げを確保していた。国賓級のVIPを迎えるうえで随行の方向けのコンパクトな客室も必要、という背景もあった。
一方、世界でも、これほどのロケーションのホテルはない。サービス水準が高く、国内のリピーター客が多いことも強み。ホテルの重要な点はロケーション、料理などを含めたサービス品質、そしてハード。今のお客様の期待の先を行けているかと考えると、ハードを整えなくてはならない段階だ。
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