どんどんお節介になるAI 任せたほうがいい人生かも
評者/北海道大学大学院教授 橋本 努
駅前のどの飲食店に入るかや旅行先で買うお土産などを私たちはランキングに頼って決めてしまうことがある。順位など当てにならないと思いつつも、「〇〇10選」などの情報を鵜呑みにしてしまうのはいったいなぜだろう。
単なる順位付けなら、ニワトリもエサや交尾の順番を決めている。序列を乱すと上位者に突っつかれるので、それを避けるために階層秩序を守るというのがニワトリたちの知恵だ。私たち人間も、上位者との関係を円滑にするために順位を気にしている。順位付けと階層秩序は、生物学的に説明ができそうだ。
しかし、現代人がランキングを気にするのには、別の理由が考えられる。情報過多で、選択に際して処理能力が追い付かないのだ。適切な情報を見つけ出すには時間と労力がかかる。そのコストを縮減して選択肢を示したものがランキングであり、あるいはグーグルなどの検索エンジンだ。
もっとも、ランキングは当てにならない場合も多い。優れた国の順位のように、私たちの主観的な評価に依存したランクにはあまり意味がない。優れた国について納得のいく順位を付けるためには、各人が自分の評価基準を自由に設定できるような仕組みが必要となるだろう。
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