購買に関する性差に着目 示唆に富む成功事例多数
評者/スクウェイブ代表 黒須 豊
森元首相の一件もありジェンダーフリーが声高に叫ばれている。看過できない話だが、経営者たるもの、個人的な信条と違っても、所与の条件の下で企業価値の最大化を目指さねばならない。
本書は、女性起業家の一人として活躍する著者が、性別による考え方の違いを明確にした上で、消費全体にとって、女性視点でマーケティングを考えることの重要性を具体的な事例をさまざまに示しながら解説する。
著者らの調査によると、家族に関する49品目の消費財の購入は、女性(主に世帯主の配偶者)が63.3%の決定権を有し、かつ、9割の購入に対して影響を与えている。
これは、女性と男性の買物に対する思考の違いに関係するらしい。その違いとは、女性は男性と異なり、自分自身の買物だけでなく、家族のため、あるいは友人などのための買物について思考をめぐらす点という。そして、時に実際に買う(代理購買)。
本書では、女性の消費行動を、①生活基盤消費、②生活向上消費、③おせっかい消費、④代理購買消費、⑤交際維持消費、⑥クチコミ消費、⑦トレンド消費の7つに分類している。この中で、特に③おせっかい消費が、まさに前述の行動を見事に説明していると言えるだろう。
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