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首相の政治的思惑と「悲痛の叫び」 コロナ対策や総務省幹部接待疑惑への対応で機能不全

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菅氏が本格政権を目指していないはずはない。が、そこにはリアリティーがほとんどない。

新型コロナウイルス感染症対策本部の会合を終え、記者団の質問に答える菅義偉首相(毎日新聞社/アフロ)

最近、衆参議院予算委員会の首相答弁や首相官邸でのぶら下がり会見をテレビで見ていると、菅義偉首相のしかめっ面が多くなったことに気づく。心なしか顔がムンクの『叫び』に似てきたと感じる。その印象を絵画に造詣の深い知人に語ったところ、「いや、今の菅さんはピカソの『泣く女』ではないか」と言われた。

現在の菅官邸は1都3県の緊急事態宣言期限の再延長など新型コロナウイルス対策や、底なし沼状態にある総務省幹部接待疑惑への対応などで機能不全に陥っている。なすことすべてが後手に回るのにはもちろん理由がある。一にかかって菅首相の政治手法に起因するのだ。

窮地に陥ってもツキに恵まれて乗り切った安倍晋三前首相は体調不良で途中降板した。跡を継いだリリーフの菅投手の出だしはよかった。しかしその後、全員野球を無視した唯我独尊的な独り相撲で打たれ出した。ツキにも見放されたようだ。世間では、こんなことが言われている。「菅首相とかけて何と解く。作業衣と解く」。その心は「ツナギにスガる」というダジャレである。ツナギの投手がこのまま9回裏まで持ちこたえるのかどうか。自らは暴投・死球を乱発、チームメートも失策を重ね、かなり怪しくなってきた。

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