コロナ危機下、国民の共感と信頼を失った菅政権。このままでは政党政治全体が見捨てられる。
4年前のドナルド・トランプ前大統領の誕生は米国の政治学や歴史の研究者に衝撃を与えた。20世紀前半の民主主義の崩壊過程と現代を重ねて、民主主義はもはや自明の政治制度ではないとする観察が相次いで発表された。トランプ政権は1期で終わったが、彼は退任間際に狂信的な支持者を扇動して議事堂乱入という内乱未遂を引き起こした。事実認識を拒絶し、正当な手続きを暴力で粉砕することで喜ぶ人々がかくも多数存在するのは衝撃である。
ジョー・バイデン大統領にとって、米国社会の分断を修復するのは容易ではない。主義や立場は違っても事実を共有し、論理的な主張を戦わせる民主政治の作法を地道に積み重ねていくしかない。そのときに重要なのは、メディアの役割である。政治家の発言についてファクトチェックを繰り返して政治の議論から虚言を排除することに、米国のメディアは粘り強く取り組んでいる。ルールの破壊に対して、傍観者ではなく民主主義の擁護者として厳しく批判を加えるのも米国メディアの特徴である。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら