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破綻した官邸主導政治から転換を 平均的な自民党総裁には荷が重すぎる

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「平均的」なリーダーしか見込めない日本には、ボトムアップの政策決定しかもう道はない。

橋本龍太郎(左)、小泉純一郎両氏のようなリーダーはいなくなった(写真は2001年の自民党総裁選時)(ロイター/アフロ)

もはや「器でない」という言葉まで飛び出す菅義偉首相である。国会答弁は先が思いやられ、意思決定も迷走に次ぐ迷走である。安倍・菅の両首相と継続するコロナ対応を眺めると、やはり首相の持てる権力を十全に使いこなしていないことが見て取れる。

内閣機能強化論なかんずく官邸機能強化論は、2001年の省庁再編の大きなテーマであった。省庁間セクショナリズムを打破し、国家の基本方針を大胆に定めるには、首相と官邸に権力を集中すべきとする改革論が叫ばれた。

しかし、今にして思い返せば、そのときの改革論には大きなバイアスがあった。それは、「橋本龍太郎=小泉純一郎バイアス」とでも呼ぶべきものである。

省庁再編を政治課題に掲げた橋本首相は、そのための諮問機関であった行政改革会議を自ら議長として取り仕切った。各省庁の状況を熟知していたうえに、財界人、言論人、法律専門家らが居並ぶ会議をまとめ上げるだけの識見も十分備えていたのである。

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