なぜ政府は元号のみの表記を続けるのか。その根拠は「竹下談話」にあった。
正月もとっくに終わったある日、「1等30万円」にひかれ、お年玉付き年賀はがきを調べた。趣向を凝らした賀状の束を手に取ると、元旦に読んだはずの文面を再度目で追ってしまう。
そのうちあることに気づいた。そして数えてみた。
6割、3割、1割──。
わが家に来た年賀状のうち、新年を「令和3年」と表記したものが6割。「2021年」が3割。残りは表記がないなどだったのだ。
日本人は元号(和暦)好きだ。改元のとき、多くの国民が当時官房長官だった菅義偉氏の「新しい元号は令和であります」という発表を凝視していたし、典拠となった『万葉集』の舞台は訪れる人々で混雑。「令和フィーバー」という言葉まで登場した。
しかし、冷静に観察すると、年賀などの非日常を離れれば、普通の生活での和暦使用はどんどん後退しているようだ。それは数字が示している。
一昨年、「年代を表す際に元号と西暦のどちらを使うか」と聞いた毎日新聞の世論調査によると、「調査方法が異なるため直接の比較はできない」という前提付きながら、1975年の調査で8割を超えていた「主に元号」という人の割合は34%にまで縮小。やはり19年に行われた時事通信社の調査でも、40歳代よりも上の世代では元号使用が多かったが、10〜30歳代では和暦と西暦の使用が4割台で拮抗していた。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録いただくと、有料会員限定記事を含むすべての記事と、『週刊東洋経済』電子版をお読みいただけます。
- 有料会員限定記事を含むすべての記事が読める
- 『週刊東洋経済』電子版の最新号とバックナンバーが読み放題
- 有料会員限定メールマガジンをお届け
- 各種イベント・セミナーご優待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら