NTTドコモはグループの半分以上の利益を生み出す稼ぎ頭だが、2019年の料金値下げで大幅な減益となった。今や売上高、利益ともにKDDIとソフトバンクの後塵を拝する。ライバルが通信契約数を順調に伸ばす一方、ドコモは直近3四半期連続で前年同期に比べて純減となった。契約者の流出に歯止めをかけるのは喫緊の課題だ。
そのドコモを再び回復させるべく送り込まれたのが、NTT東日本からNTTの副社長に転じ、2020年6月にドコモの副社長に就いた井伊基之氏だ。弱体化したドコモをどう上向かせるのか。アハモの発表後、井伊社長を直撃すると「今までのドコモだったらやらなかったことを思い切ってやる」と断言した。
「料金が高い」というイメージを打ち壊す
――12月2日に発表した新料金プラン「ahamo(アハモ)」のデータ量20GB(ギガバイト)で月額2980円という思い切った料金設定は、通信業界に衝撃を与えました。
ターゲットは20~30代。若い人たちを取り込むことがドコモの経営課題だった。2020年から5Gサービスが始まり、大容量のデータをサクサク使うという環境がきちんと整う中で、敏感に反応するのはやはりこの世代だ。このタイミングで彼らを獲得する戦略を打ち出せなければ、もう取り返せないという危機感があった。
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