海外事業の強化に向けたグループ再編、そして4.3兆円の巨費を投じたNTTドコモの完全子会社化。眠れる巨象が猛然と動き出した。反転攻勢で展望は開けるのか。NTTグループ主要6社のトップに直撃した。
12月25日、NTTドコモが20年余りの上場企業としての幕を下ろす。
9月29日の会見でドコモ完全子会社化を発表した持ち株会社NTTの澤田純社長は、「携帯キャリアの収益で3番手になったドコモを強くしなければいけない」と強調。このままではライバルからどんどん後れをとるという危機感から、4.3兆円を投じるTOB(株式公開買い付け)に踏み切ったのだ。
上場廃止を待たずして12月1日から新社長に就いた井伊基之氏は、持ち株会社でドコモ立て直しの戦略策定にかかわっていた人物だ。ある現役社員は「(前社長の)吉澤さんは“スマート”だったが、井伊さんは“ゴリゴリ”。澤田さんと同様に『業界3番手』を連呼し、今のドコモは全然ダメだ!とはっぱをかけている」と打ち明ける。要は、穏和な前社長、体育会系の新社長ということだろう。
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