
ファーストリテイリング 会長兼社長 柳井 正(やない・ただし)1949年山口県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。72年に父親の経営する小郡商事(現・ファーストリテイリング)入社。84年に「ユニクロ」1号店を出店し社長就任、世界的な衣料品チェーンに育てる。(撮影:尾形文繁)
新型コロナウイルスが世界中に蔓延する中、反グローバル化の動きや保護主義を唱える声が絶えない。この傾向に警鐘を鳴らすのが、世界25の国と地域でユニクロを展開するファーストリテイリングの柳井正会長兼社長。日本、そして世界の先行きを柳井氏はどうみているのか。
──コロナ禍の下でグローバル化への反動が出てきています。
情報にも金融にも国境はなくなっているのに、経済だけが一国の中で回っていくわけがない。グローバル化が止まったら各国の成長が止まることになる。
世界は政治と安全保障だけで成り立っているのではない。国民の生活がない限り、安全保障も何もないでしょう。とくに日本のような資源のない国が一国だけでどう生きていくのか。どれだけ(国境を越えて経済が)深く連携しているか、マスコミや政治家は経済の実態をわかっていない。
──2021年はどんな世界になるとみていますか?
本来、世界はようやくアジアの時代になるんですよね。日本に始まり、韓国、中国、東南アジア、そして今からインドまでいこうとしている成長の流れがある。それを止めないための連帯が必要だ。
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